結論
3,500万円を頭金なし・35年・元利均等返済・ボーナス払いなしで借りると、月々の返済額は金利が年1.0%の仮定で98,800円、年2.0%で115,942円、年4.0%で154,971円です。金利は仮定で、諸費用は含みません。フラット35では頭金なしは融資率9割超の区分にあたり、借入金利と審査の扱いが変わります。
この記事でわかること
- 3,500万円・35年の月々の返済額と総返済額を、金利0.5〜4.0%の仮定で比べた表
- 返済期間を20〜50年で変えたときの月々と総返済額の違い
- 頭金なし(融資率9割超)のときにフラット35で金利と審査がどう扱われるか
- 諸費用も借りた場合の月々の増え方と、フラット35の基準で必要になる年収
- 月々の上限から金利を逆に読む表と、自分の条件で計算し直す順序
3,500万円の住宅ローンを頭金なし(頭金0円)で借りたときの月々の返済額は、金利と返済期間の2つで決まります。返済期間35年・元利均等返済・ボーナス払いなしの場合、年1.5%の仮定で107,165円で、金利が1%違うと月々はおよそ1.7万〜2.0万円変わります(年1.0〜4.0%の仮定の範囲)。返済期間を35年から20年に短くすると、年1.5%の仮定で月々は61,726円増えます。
記事の内容は2026年10月12日時点の公式情報に基づきます。試算の金利はすべて仮定で、特定の金融機関の適用金利ではありません。前提は、借入元金3,500万円(頭金0円で、物件の価格と同じ額を借りる想定)・元利均等返済・金利は全期間一定・毎月払いのみ(ボーナス払いなし)・事務手数料や保証料などの諸費用は除外です。
毎月の返済額は円未満を四捨五入し、総返済額は「毎月の返済額×返済回数」で計算して万円未満を四捨五入しています。計算式そのものは住宅ローンの金利から利息を計算する方法で説明しています。
01 3,500万円・35年の月々は金利1.0%で98,800円、4.0%で154,971円
3,500万円を返済期間35年で借りたときの月々の返済額(毎月の返済額)は、金利が年1.0%の仮定で98,800円、年4.0%の仮定で154,971円です(元利均等返済・ボーナス払いなし・諸費用は除外)。金利が3%違うと、同じ借入額でも月々の差は56,171円になります(図1)。
総返済額で比べると金利による差はさらに大きく、年1.0%の仮定では約4,150万円、年4.0%の仮定では約6,509万円です。借りた3,500万円を除いた利息の総額は、年1.0%で約650万円、年4.0%で約3,009万円になります。
| 金利(仮定) | 毎月の返済額 | 年間の返済額 | 総返済額 | 利息の総額 |
|---|---|---|---|---|
| 年0.5% | 90,855円 | 1,090,260円 | 約3,816万円 | 約316万円 |
| 年1.0% | 98,800円 | 1,185,600円 | 約4,150万円 | 約650万円 |
| 年1.5% | 107,165円 | 1,285,980円 | 約4,501万円 | 約1,001万円 |
| 年2.0% | 115,942円 | 1,391,304円 | 約4,870万円 | 約1,370万円 |
| 年2.5% | 125,123円 | 1,501,476円 | 約5,255万円 | 約1,755万円 |
| 年3.0% | 134,698円 | 1,616,376円 | 約5,657万円 | 約2,157万円 |
| 年3.5% | 144,652円 | 1,735,824円 | 約6,075万円 | 約2,575万円 |
| 年4.0% | 154,971円 | 1,859,652円 | 約6,509万円 | 約3,009万円 |
参考として、フラット35(返済期間21〜35年)の金利の範囲は、2026年10月現在で年3.83%〜5.84%です(新機構団信付き・融資率9割以下の場合。融資率9割超は年3.94%〜5.95%。フラット35の商品ページ、フラット35の金利情報)。範囲の下限は、上の表の年3.5%と年4.0%の行の間にあたります。借入金利は取扱金融機関により異なるため(フラット35のご利用条件)、検討中の金融機関が示す金利で計算し直してください。
02 返済期間を短くすると月々は増え、総返済額は減る
3,500万円の借入れで返済期間を短くすると、月々の返済額は増え、総返済額は減ります。年1.5%の仮定では、35年の月々107,165円・総返済額約4,501万円に対し、20年は月々168,891円・総返済額約4,053万円です(図2)。
金利と返済期間の組み合わせごとの月々の返済額は、期間が5年延びるごとに減りますが、減り方は期間が長いほど小さくなります。年1.5%の仮定では、20年から25年で28,913円減るのに対し、30年から35年では13,627円の減少です。
| 返済期間 | 年1.0% | 年1.5% | 年2.0% | 年3.0% | 年4.0% |
|---|---|---|---|---|---|
| 20年 | 160,963円 | 168,891円 | 177,059円 | 194,109円 | 212,093円 |
| 25年 | 131,905円 | 139,978円 | 148,349円 | 165,974円 | 184,743円 |
| 30年 | 112,574円 | 120,792円 | 129,367円 | 147,561円 | 167,095円 |
| 35年 | 98,800円 | 107,165円 | 115,942円 | 134,698円 | 154,971円 |
| 40年 | 88,500円 | 97,010円 | 105,989円 | 125,295円 | 146,278円 |
| 50年 | 74,151円 | 82,952円 | 92,327円 | 112,692円 | 134,997円 |
総返済額は、返済期間が長いほど、また金利が高いほど増えます。年3.0%の仮定では、20年の約4,659万円に対して35年は約5,657万円で、差は約999万円です(丸める前の総返済額どうしの差)。
| 返済期間 | 年1.0% | 年1.5% | 年2.0% | 年3.0% | 年4.0% |
|---|---|---|---|---|---|
| 20年 | 約3,863万円 | 約4,053万円 | 約4,249万円 | 約4,659万円 | 約5,090万円 |
| 25年 | 約3,957万円 | 約4,199万円 | 約4,450万円 | 約4,979万円 | 約5,542万円 |
| 30年 | 約4,053万円 | 約4,349万円 | 約4,657万円 | 約5,312万円 | 約6,015万円 |
| 35年 | 約4,150万円 | 約4,501万円 | 約4,870万円 | 約5,657万円 | 約6,509万円 |
| 40年 | 約4,248万円 | 約4,656万円 | 約5,087万円 | 約6,014万円 | 約7,021万円 |
| 50年 | 約4,449万円 | 約4,977万円 | 約5,540万円 | 約6,762万円 | 約8,100万円 |
35年を超える期間は使える商品と条件が限られる
表の40年・50年は計算上の値です。フラット35の借入期間の上限は、「80歳−申込時の年齢(1年未満切上げ)」と35年のうち短いほうです(フラット35のご利用条件)。年齢から期間を考える場合は、40代からの住宅ローンは何年借りられるかも参考になります。
36年〜50年の返済期間を扱うフラット50は、長期優良住宅などを取得する場合に利用できる商品で、借入額は物件価格の9割までです(フラット50の商品ページ)。頭金なしで借りる場合の扱いを含む条件と、3,000万円での比較は、40年・50年で借りた場合の月々と総返済額にまとめています。
03 頭金なしはフラット35では融資率9割超にあたり、金利と審査が変わる
頭金なしで借りる場合、フラット35では融資率(建設費・購入価額に対する借入額の割合)が9割を超える区分にあたり、借入金利と審査の扱いが9割以下の場合と変わります。頭金なしで物件の価格の全額を借りることは、一般に「フルローン」とも呼ばれます。
フラット35のご利用条件には、借入金利について「借入期間(20年以下・21年以上)、融資率(9割以下・9割超)、加入する団体信用生命保険の種類などに応じて、借入金利が異なります」とあります(注記の番号は省略)。団体信用生命保険(団信)は、返済中に万一のことがあったときに保険金が返済に充てられる保険です。
審査については、同じページに「融資率が9割を超える場合は、返済の確実性等をより慎重に審査します」と書かれています。金利の差は、機構の金利情報(2026年10月)では、取扱金融機関が提供する金利の範囲が融資率9割以下で年3.83%〜5.84%、9割超で年3.94%〜5.95%で、下限どうしの差は年0.11%です(フラット35の金利情報)。取扱金融機関によっては借入期間や融資率にかかわらず借入金利が同一の場合がある、とも注記されているので、差の大きさは申込先の金利で確認してください。
融資率は「借入額÷建設費(土地取得費を借りる場合はその費用を含む)または購入価額」という定義なので、建設費と土地取得費の合計が3,500万円なら、9割にあたる借入額は3,150万円です。3,500万円を全額借りると融資率は10割で、9割超の区分になります。
民間の金融機関の住宅ローンで、頭金なしのときに金利や審査がどう変わるかは金融機関ごとに異なり、この記事では扱いません。国土交通省の調査の回答数と金融機関の例は、フラット35と民間の住宅ローンの条件の比較にまとめています。頭金を入れた場合に総返済額がどれだけ変わるかは頭金0円と頭金ありの総返済額の比較、頭金なしで借りる仕組みはフルローンの仕組みで扱っています。
04 諸費用も借りると、100万円あたり月々約2,800〜4,400円増える
諸費用も住宅ローンで借りると、返済期間35年の場合、借入額が100万円増えるごとに月々の返済額は年1.0%の仮定で2,823円、年4.0%の仮定で4,428円増えます。たとえば諸費用200万円を足して3,700万円を借りると、年1.5%の仮定で月々113,288円になり、3,500万円のときより6,123円多くなります。
| 借入額 | 年1.0% | 年1.5% | 年2.0% | 年3.0% | 年4.0% |
|---|---|---|---|---|---|
| 3,500万円 | 98,800円 | 107,165円 | 115,942円 | 134,698円 | 154,971円 |
| 3,600万円 | 101,623円 | 110,226円 | 119,255円 | 138,546円 | 159,399円 |
| 3,700万円 | 104,446円 | 113,288円 | 122,567円 | 142,395円 | 163,827円 |
| 3,800万円 | 107,269円 | 116,350円 | 125,880円 | 146,243円 | 168,254円 |
フラット35では、請負契約書の請負金額や売買契約書の売買金額のほかに、一部の費用も確認書類に記載があれば借入対象になります。機構のよくある質問(借入対象となる諸費用とはどのようなものですか?)の表には、外構工事の費用、設計費用、融資手数料、契約書に貼る印紙代、火災保険料・地震保険料、登記費用などが挙がっています。
土地購入の仲介手数料は、土地取得費もフラット35で借りる場合に限る、という注記があります。どの費用をいくらまで借りられるかは商品と金融機関で変わるので、見積書の費目ごとに確認してください。諸費用の費目と支払う時期は注文住宅の諸費用の一覧にまとめています。借入額のもとになる総額の確かめ方は注文住宅の総額の内訳にあります。
05 フラット35の基準では、35年・年1.5〜2.0%の仮定で年収400万円が必要
フラット35の返済負担率の基準に当てはめると、3,500万円を35年で借りるのに必要な年収は、他の借入れがない場合、年1.0%の仮定で約396万円、年1.5%と年2.0%の仮定で400万円、年3.0%で約462万円、年4.0%で約532万円です。
返済負担率(フラット35の用語では総返済負担率。年収に占める、すべての借入れの年間合計返済額の割合)は、「返済比率」とも呼ばれます。フラット35のご利用条件では、基準は年収400万円未満の場合30%以下、400万円以上の場合35%以下です。
| 金利(仮定) | 年間の返済額 | 年収400万円のときの返済負担率 | 基準を満たす年収の下限 |
|---|---|---|---|
| 年1.0% | 1,185,600円 | 29.7% | 約396万円 |
| 年1.5% | 1,285,980円 | 32.2% | 400万円 |
| 年2.0% | 1,391,304円 | 34.8% | 400万円 |
| 年3.0% | 1,616,376円 | 40.5% | 約462万円 |
| 年4.0% | 1,859,652円 | 46.5% | 約532万円 |
年1.5%と年2.0%の下限が同じ400万円になるのは、基準が年収400万円を境に変わるためです。年1.5%の年間の返済額1,285,980円は、年収399万円だと30%の基準(1,197,000円)を超えますが、年収400万円なら35%の基準(1,400,000円)に収まります。
この表が示すのは、1人の年収で借りる場合に基準を満たす年収の下限です。年収300万円に収入合算でいくら足せば基準に届くかは、年収300万円で3,500万円は借りられるかの表で扱っています。下限の年収は基準に当てはめた計算の結果で、借りられることを示すものではありません。フラット35のご利用条件にも、審査の結果によっては希望にそえない場合があると書かれています。
民間の金融機関の返済負担率の基準は金融機関ごとで、ここでは扱っていません。借入額が年収の何倍にあたるかで考えたい場合は、年収倍率と返済負担率の違いを参照してください。
他の借入れがある場合と、収入を合算する場合
返済負担率にはすべての借入れの返済額を合計するので、ほかに返済があると必要な年収は上がります。フラット35のご利用条件は、合計する借入れとして自動車ローン、教育ローン、カードローン(クレジットカードのキャッシング、商品の分割払いやリボ払いを含む)などを挙げています。
たとえば自動車ローンの返済が月3万円(年36万円)ある場合、年1.5%の仮定では年間の返済額の合計が1,645,980円になり、35%の基準を満たす年収は約471万円です。単独の年収で足りない場合について、同じページには収入を合算できる場合があると書かれています。合算の方法ごとの違いはペアローン・収入合算・連帯債務の比較で確認できます。
06 月々の上限を先に決めると、収まる金利と期間が読める
月々の返済額の上限を先に決めると、3,500万円を35年で借りる場合に収まる金利は、月々11万円までなら年1.6%以下、13万円までなら年2.7%以下、15万円までなら年3.7%以下です(0.1%刻みで計算。元利均等返済・ボーナス払いなし)。
| 毎月の返済額の上限 | 収まる金利の上限 | その金利での毎月の返済額 |
|---|---|---|
| 10万円 | 年1.0%以下 | 98,800円 |
| 11万円 | 年1.6%以下 | 108,887円 |
| 12万円 | 年2.2%以下 | 119,567円 |
| 13万円 | 年2.7%以下 | 128,907円 |
| 14万円 | 年3.2%以下 | 138,634円 |
| 15万円 | 年3.7%以下 | 148,737円 |
金融機関が示す金利が「収まる金利の上限」を超えるときに、月々を上限に収める方法は、計算上は次の2つです。どちらも表の数値から導いた整理で、借入れの可否とは別の話です。
- 返済期間が35年より短い場合は期間を延ばす:年2.0%の仮定で30年の月々129,367円は、35年にすると115,942円になります。総返済額は約4,657万円から約4,870万円に増えます。
- 借入額を減らす:返済期間35年なら、借入額を100万円減らすごとに月々は年1.0%の仮定で2,823円、年4.0%の仮定で4,428円減ります。頭金を入れる、建物や土地の予算を見直す、のどちらでも同じ計算です。
07 自分の条件で計算し直すときは、借入額・金利・期間の順に決める
自分の条件で月々の返済額を計算し直すときは、借入額、金利、返済期間の3つを順に決めれば、この記事の表と同じ前提で比べられます。次の順序はこの記事の試算の前提を並べ直したもので、数値は金融機関の資料で確認します。
- 借入額を決める:見積書の建物・土地の金額に、借りる予定の諸費用を足します。頭金を入れる場合は引きます。
- 金利を決める:検討中の金融機関が示す金利を使います。フラット35の場合は、融資率9割超の区分の金利を取扱金融機関の金利情報で確認します。
- 返済期間を決める:完済時の年齢と商品の上限から、選べる最長の期間を確認します。
- 月々の上限と比べる:計算した月々の返済額が上限を超えるなら、借入額か期間を変えて計算し直します。
- 返済負担率を確認する:他の借入れの返済額を足した年間の返済額を年収で割り、申し込む商品の基準と比べます。
NIKO ESTATEの住宅ローン簡易シミュレーションは、建物と土地の想定価格・頭金・金利・返済期間を入力すると月々の返済額の目安を表示します。計算は元利均等返済・毎月返済・ボーナス返済なしで、この記事の試算と同じ計算方法です。
このシミュレーションで入力できる金利は0.3〜7%(0.1%刻み)、返済期間は10〜50年です。この記事の表にない金利や期間は、シミュレーションで計算できます。事務手数料・保証料・登記費用・保険料などの諸費用は含まれず、自動では加算されないので、諸費用も借りる場合は想定価格に足して入力します。
ボーナス払いを併用すると、毎月の返済額はこの記事の数値より少なくなり、ボーナス月の返済が加わります。フラット35では、6か月ごとのボーナス払いは借入額の40%以内と決められています(フラット35のご利用条件)。
08 まとめ
3,500万円を頭金なしで借りたときの月々は、金利と返済期間の2つで決まります。まず検討中の金融機関が示す金利を確認し、この記事の表で近い金利の行を見てください。フラット35を検討している場合は、融資率9割超の区分の金利を確認します。
次に、見積書で借りる予定の諸費用を足した借入額を出し、月々の返済額を計算し直します。最後に、他の借入れの返済額を足した年間の返済額を年収で割り、申し込む商品の返済負担率の基準と比べてください。
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