結論
3機関の違いは加盟する会社の業種で、CICはクレジット事業、JICCは貸金業やクレジット・保証、全国銀行個人信用情報センター(KSC)は銀行などの金融機関が中心です。住宅ローンの審査でどこに照会されるかは申込先の加盟先しだいで、延滞などの情報は機関をまたいで利用されます。
この記事でわかること
- CIC・JICC・KSCに加盟する会社の業種の違い(公式の記載の比較表)
- 住宅ローンの申込先がどの機関に加盟しているかを確かめる順序
- CRIN・FINE・IDEAで機関をまたいで共有される情報の範囲
- 契約内容・申込みの記録・官報情報の登録期間の違い
- 自分の借入れの種類から、記録を確かめる機関の見当をつける方法
CIC(株式会社シー・アイ・シー)、JICC(株式会社日本信用情報機構)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の違いは、各機関が公式ページに載せている会員の説明を並べると確かめられます。3機関とも、ローンやクレジットの契約内容と返済状況(信用情報)を扱う信用情報機関で、加盟する会社の業種が違います。ただし業種は一部が重なっていて、「住宅ローンならこの機関」と1つに決めた記載は、確認した3機関のページにありません。
延滞などの情報は、CRIN(3機関が延滞等の情報を交流するネットワーク)を通じて、ほかの機関に加盟する会社も利用できます。JICC「他の信用情報機関との交流」 申込前に自分の記録を確かめるなら、3機関それぞれに本人開示(自分の信用情報を取り寄せること)を申し込むと漏れがありません。この記事は2026年10月12日時点の公式情報に基づきます。
01 CIC・JICC・KSCの違いは、加盟する会社の業種にある
CIC・JICC・KSCに加盟する会社(信用情報機関の会員)の業種は、CICがクレジット事業、JICCが貸金業・クレジット・保証など、KSCが銀行などの金融機関を中心にしています。3機関の公式ページの記載を並べると、金融機関や保証会社のように、複数の機関に挙がっている業種があることも分かります。
| 機関 | 位置づけ | 加盟する会社(公式の記載) | 提携先の機関による紹介 |
|---|---|---|---|
| CIC | 割賦販売法および貸金業法で指定を受けた信用情報機関 | 会員会社の例:信販会社、流通系・銀行系・メーカー系クレジット会社、専門店会、リース会社、保険会社、保証会社、金融機関、消費者金融会社、携帯電話会社など | 主に割賦販売等のクレジット事業を営む企業を会員とする個人信用情報機関 |
| JICC | 貸金業法の指定信用情報機関 | 消費者金融会社、流通系・銀行系・メーカー系クレジット会社、信販会社、金融機関、保証会社、リース会社など | 主に貸金業、クレジット事業、リース事業、保証事業、金融機関事業等の与信事業を営む企業を会員とする個人信用情報機関 |
| KSC | 一般社団法人全国銀行協会が設置、運営している個人信用情報機関 | 銀行または法令によって銀行と同視される金融機関、政府関係金融機関またはこれに準じるもの、信用保証協会、これらの推薦を受けたクレジットカード会社・保証会社等 | 主に金融機関とその関係会社を会員とする信用情報機関 |
出典:CIC「CICとは」・JICCの加盟会員についてのFAQ・KSC「センターの概要」。「提携先の機関による紹介」は、CIC・JICCの分がKSC「情報交流」、KSCの分がJICC「他の信用情報機関との交流」の記載です。
表から分かるのは、金融機関と保証会社が3機関すべての加盟する会社に挙がり、クレジット会社もCIC・JICCの両方に挙がっていることです。業種で大まかな見当はつきますが、ある会社がどの機関に加盟しているかは、会社ごとに確かめる必要があります。
「KSC」「全銀協」「個人信用情報機関」という呼び方
この記事では、全国銀行個人信用情報センターの略称として「KSC」を使います。同センターの公式ページは、自らを「センター」「個信センター」と書いています。「全銀協」は運営する一般社団法人全国銀行協会の略称で、センターそのものの名前ではありません。KSC「センターの概要」・KSC「情報交流」
「信用情報機関」と「個人信用情報機関」は、同じ3機関を指す呼び方です。CICとJICCは「信用情報機関」、KSCは「個人信用情報機関」という語を公式ページで使っています。
02 住宅ローン審査で照会されるのは、申込先が加盟する機関
住宅ローンの審査で照会される信用情報機関は、申込先の金融機関や保証会社がどの機関に加盟しているかで決まります。この記事で確認した3機関の公式ページに「住宅ローンの審査ではこの機関を使う」と定めた記載はなく、信用情報を利用できるのは、各機関の会員と、交流網でつながるほかの機関の会員です。CIC「信用情報の利用」
銀行で住宅ローンを申し込む場合、銀行はKSCの加盟資格の1つ目に挙がっています。KSCの会員一覧(2026年8月3日現在)には、銀行のほか信用金庫・信用組合・労働金庫・農業協同組合などが並び、住宅金融支援機構の名前もあります。KSC「センター会員一覧」 住宅金融支援機構がCIC・JICCにも加盟しているかは、この記事では確認できていません。
CICとJICCも、加盟する会社に「金融機関」「保証会社」を挙げています。そのため、住宅ローンの申込先やその保証会社が、KSC以外の機関にも加盟していることがありえます。CICは、会員会社がクレジットやローン等の申込みを受けた場合、「原則、その全件をCICに照会することが定められています」としています。CIC「信用情報の利用」
照会先は申込先の加盟先で決まり、そこに交流網を通じたほかの機関の情報が加わる、という順番で考えると整理できます。
申込先の加盟機関を確かめる順序
申込先の加盟機関は、申込先の資料と各機関の公開情報で確かめられます。次の順序は公式ページの内容を編集部が並べたもので、内容は各機関の記載によります。
- 申込先の金融機関と、保証が付く住宅ローンの場合は保証会社の名前を、申込先の資料で確かめる。
- 申込みのときに示される、信用情報の登録・利用についての同意事項を読む。CICは会員会社に、同意事項を記載した書面等を提示・交付して同意を得ることを義務付けている。CIC「信用情報の利用」
- 各機関が公開している会員の一覧で、申込先と保証会社の名前を探す。KSCは「センター会員一覧」、CICは「会員会社検索」、JICCは「加盟会員検索」を公開している。JICC「加盟会員検索」
信用情報機関は情報を提供する立場で、審査をするのは申込先です。KSCは「当センターでは審査業務を一切行っておりません」とし、KSC「本人開示の手続き」 CICも、会員会社がCICの信用情報を参考に「自社の審査基準と照らし合わせて総合的に審査・与信判断」をしていると説明しています。CIC「信用情報の利用」
03 ほかの機関の情報は、CRIN・FINE・IDEAで決まった範囲が共有される
申込先が加盟していない機関の情報も、CRIN・FINE・IDEAという3つの交流網を通じて、決まった範囲が利用されます。CICは、会員会社に提供する信用情報を「CICに登録されている信用情報、FINE・CRIN・IDEAを通じて交流される他の信用情報機関に登録されている信用情報」としています。CIC「信用情報の利用」
3機関すべてで交流するのはCRINとIDEAで、FINEはCICとJICCの2機関だけの交流です。交流する情報は、交流網ごとに次のように決まっています。
| 交流網 | 交流する機関 | 交流する情報(公式の記載) |
|---|---|---|
| CRIN | CIC・JICC・KSCの3機関 | 各機関の延滞、代位弁済等の情報および本人申告情報(KSC)。延滞等の情報及び本人確認書類の紛失・盗難等に係る本人申告コメント情報等(JICC) |
| FINE | CICとJICCの2機関(貸金業法にもとづく交流) | 残高情報など(JICC)。個人信用情報等と、貸金業者が照会した事実を表す申込情報(CIC) |
| IDEA | CIC・JICC・KSCの3機関 | KSCは預金取扱金融機関が提供する消費性かつ無担保のカードローンおよびキャッシングの残高、JICC・CICは貸金業者が取り扱う金銭の貸付けの残高(KSC) |
出典:KSC「情報交流」・JICC「他の信用情報機関との交流」・CIC「信用情報の交流」。代位弁済は、保証会社などが本人に代わって返済することです。
3機関と3つの交流網の関係を図にすると、延滞などの情報(CRIN)だけが3機関の全体にまたがり、借入残高は貸付けの種類によって交流の範囲が分かれていることが分かります。
CRINで交流するのは延滞などの情報と本人申告の情報という定義なので、延滞のない契約の毎月の返済状況まで、3機関で丸ごと共有されるわけではありません。一方で、延滞などの情報は加盟先に関係なく利用できるため、「申込先が加盟していない機関の延滞なら伝わらない」とは言えません。
04 登録期間は3機関とも契約終了後5年まで、KSCの官報情報は7年まで
契約内容と返済状況の登録期間は、3機関とも契約期間中と契約終了後5年までで、破産などの官報情報はKSCが決定日から7年を超えない期間としています。申込みの記録を会員が利用できる期間は、どの機関も6か月までです。
| 情報の種類 | CIC | JICC | KSC |
|---|---|---|---|
| 契約内容と返済状況 | クレジット情報:契約期間中および契約終了後5年間 | 契約内容・返済状況に関する情報:契約継続中及び契約終了後5年以内(契約日が2019年10月1日以降の場合) | 取引情報:契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間 |
| 申込み・照会の記録 | 申込情報:照会日から6か月間。利用記録:利用日から6か月間 | 申込みに関する情報:照会日から6か月以内 | 照会記録情報:利用日から、本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間 |
| 破産などの情報 | クレジット情報の「異動(延滞・保証履行・破産)の有無」として登録。期間はクレジット情報と同じ | 取引事実に関する情報(債務整理、破産申立など):契約継続中及び契約終了後5年以内(契約日が2019年10月1日以降の場合) | 官報情報(官報に公告された破産・民事再生手続開始決定):決定日から7年を超えない期間 |
出典:CIC「CICが保有する信用情報」・JICC「信用情報の内容と登録期間」・KSC「センターの概要」。「異動」はCICの返済状況の表示です。表示の読み方はCICの開示報告書の見方で紹介しています。
JICCは契約日で扱いが分かれます。契約日が2019年9月30日以前の契約は「契約継続中及び完済日から5年を超えない期間」で、延滞情報は延滞継続中、延滞解消の事実は発生日から1年を超えない期間とされています。JICC「信用情報の内容と登録期間」
登録期間の起点と長さが機関ごとに違うという記載なので、同じ人の記録でも、機関によって消える時期がずれることがあります。たとえば破産の場合、KSCの官報情報は決定日から7年まで、CICとJICCは契約終了後5年までが期間です。1つの機関の開示結果だけで、ほかの機関の記録まで消えたとは判断できません。自己破産や債務整理をした場合に、開示結果のどの欄で期限を確かめるかは、自己破産・債務整理のあとの記録が残る期間の確かめ方にまとめています。
申込みの記録が残る期間を踏まえた再申込みの考え方は住宅ローン審査に落ちた後の再申込み、延滞の記録と審査の関係は信用情報の「事故情報」の解説で扱っています。延滞として登録される基準と、延滞を解消した後に記録が残る期間(KSCの「成約」への変更など)は、延滞が登録される時期にまとめています。
05 自分の借入れがどの機関に載るかは、契約先の業種から見当をつける
自分の借入れやクレジットがどの機関に登録されているかは、契約先の業種から見当をつけられます。ただし同じ業種が複数の機関の加盟する会社に挙がっているため、1つの機関に絞り切れない契約があります。開示しても契約の記録が出なかったときは、「登録なし」と出る理由を確かめてください。
| 契約の例 | 契約先の業種 | 加盟する会社として記載のある機関 |
|---|---|---|
| 銀行・信用金庫・農業協同組合などの住宅ローンやカードローン | 銀行などの金融機関 | KSC(加盟資格・会員一覧)。CIC・JICCも「金融機関」を挙げている |
| クレジットカード、ショッピングの分割払い | クレジット会社・信販会社 | CIC、JICC。KSCも推薦を受けたクレジットカード会社が加盟できる |
| 携帯電話会社との分割払いの契約 | 携帯電話会社 | CIC(会員会社の例に記載) |
| 消費者金融のカードローン | 消費者金融会社 | JICC、CIC |
| 保証会社の保証が付くローン | 保証会社 | CIC、JICC、KSC(推薦を受けた保証会社等) |
| 日本学生支援機構の奨学金 | 日本学生支援機構 | KSC(2008年11月に加盟。登録は延滞者に限定) |
出典:CIC「CICとは」・JICCのFAQ・KSC「センターの概要」・KSC「センター会員一覧」。奨学金は、日本学生支援機構の2008年12月5日掲載の案内によります。日本学生支援機構
状況ごとの当てはめ
- クレジットカードと携帯電話の分割払いだけを使ってきた人:契約先はクレジット会社・携帯電話会社なので、CICの記録が中心になる。クレジット会社はJICCの加盟する会社にも挙がっているため、JICCとKSCも確かめる。
- 消費者金融や銀行のカードローンを使ったことがある人:消費者金融会社はJICCとCIC、銀行はKSCが確かめる先になる。カードローンやキャッシングの残高は、IDEAで3機関の会員が利用できる情報にあたる。
- 奨学金を返済中の人:日本学生支援機構からの登録は延滞者に限られ、登録先はKSC。延滞の条件は奨学金返済中の住宅ローンで紹介している。
- 過去に自己破産をした人:KSCの官報情報は決定日から7年まで、CIC・JICCは契約終了後5年までと期間が違う。3機関それぞれの開示結果で、記録が残っているかを確かめる。
ほかの機関の記録は、1つの機関の本人開示では確かめられません。CICは「他の信用情報機関に登録されている情報を開示することはできません」とし、CICのFAQ KSCも、本人開示では提携する機関との交流対象情報を確認できないとしています。KSC「本人開示の手続き」
3機関それぞれの申込方法と手数料は信用情報の開示方法にまとめています。JICCだけを先に確かめる場合は、JICCの開示手数料と申込方法に利用時間と必要書類をまとめています。KSCは2026年10月12日時点で、本人開示の手続きに通常時よりも相当の日数がかかると案内しています。KSC「本人開示の手続き」
06 まとめ:申込前に確かめること
- これまでの契約(クレジットカード、分割払い、カードローン、奨学金など)を書き出し、契約先の業種から関係する機関の見当をつける。
- CIC・JICC・KSCの3機関に本人開示を申し込み、延滞や身に覚えのない契約の記録がないかを見る。
- 住宅ローンの申込先と保証会社が決まったら、同意事項と各機関の会員の一覧で加盟機関を確かめる。
- 気になる記録があれば、登録期間の表と照らして、いつまで残る記録かを確かめる。
開示の申込みに必要なものと受け取りまでの流れは信用情報の開示方法、借入額の見通しは借入可能額シミュレーションで確かめられます。
信用情報に不安がある方は、申込前に今の状況を診断で整理できます
無料相談・ローンシミュレーションを依頼する関連記事
住宅ローンの事前審査と本審査は何が違う?結果が変わってしまうケースと注意点
事前審査に通ったのに本審査で否決?両者の違いと、結果が変わってしまう典型的なケースを解説します。
つなぎ融資と土地先行融資の違いは?お金の流れを図で解説
土地代、着工金、完成時の残金。支払いのタイミングから、つなぎ融資と土地先行融資の違い・併用・手取り額の注意点を整理します。
ペアローン・収入合算・連帯債務の違いは?夫婦で借りる前の比較表
夫婦で住宅ローンを組む方法は、契約の本数、債務者、団信と住宅ローン控除の対象が違います。金融機関・国税庁の資料をもとに、選ぶ前に確認したい点を比較表で整理します。