NIKO ESTATE
用語集・FAQ

住宅ローンの借り換えで得をする条件|シミュレーション前に確かめる数字

運営:NIKO ESTATE(株式会社LBC)
住宅ローンの借り換えで得をする条件|シミュレーション前に確かめる数字

結論

住宅ローンの借り換えで金額の面で得になるのは、残りの期間に減る利息が諸費用より大きい場合です。残高3,000万円・残り30年・年2.0%から1.5%への仮定では、諸費用80.2万円(融資手数料2.2%などの仮定)を引いて約184万円のプラス、残高1,000万円・残り10年では約0.5万円のマイナスでした。司法書士報酬などは含めていません。

この記事でわかること

  • 借り換えの損益を「利息の軽減額−諸費用」で確かめる式と、住宅金融支援機構の試算例
  • 諸費用の費目と、税率・手数料の決まり方(確認できた資料つき)
  • 残高・残り期間・金利差ごとの差引と、損益が0になる金利差の試算
  • 諸費用を何か月で回収できるか、期間の延長や諸費用の上乗せで得がどう変わるか
  • 住宅ローン控除・団信の扱いと、シミュレーションに入れる前に確かめる3つの数字

住宅金融支援機構は「借換融資の検討」のページで、借り換えを検討するときは総返済額や毎月の返済額だけでなく、諸費用を含めた総費用を考慮するよう案内しています(住宅金融支援機構「借換融資の検討」)。金額の面で得になるかどうかは、減る利息と諸費用のどちらが大きいかで決まります。

この記事で扱うのは、返済中の住宅ローンを別の住宅ローンに組み替える借り換え(乗り換え)です。機構は借換えを「現在の住宅に住み続けながら、返済中の住宅ローンを全額返済し、条件の異なる住宅ローンを新たに借り入れること」と説明しています。車のローンなど他の借入れをまとめる話は車のローンと住宅ローンをまとめる仕組み、家を建てるときの諸費用は注文住宅の諸費用の一覧で扱っています。

記事の内容は2026年10月13日時点の公式情報に基づきます。試算の金利と諸費用はすべて仮定で、特定の金融機関の適用金利や見積りではありません。実際の損益は、申込先の見積りと審査の結果で変わります。

01 借り換えの損益は「利息の軽減額−諸費用」で確かめる

住宅ローンの借り換えで減る利息(利息の軽減額)は、残りの期間を変えず金利が一定の場合、「(いまの毎月の返済額−借り換え後の毎月の返済額)×残りの返済回数」で計算できます。損益は、この軽減額から借り換えの諸費用を引いた差です。

毎月の返済額は残高・金利・残りの返済回数で決まるので、軽減額もこの3つで変わります。毎月の利息がどう決まるかは住宅ローンの金利から利息を計算する方法にまとめています。

機構の試算例(借換融資 ケーススタディ・試算例)では、残高2,622万円・残り28年の住宅ローンを年3.00%から年1.50%に借り換えると、総返済額が約667万円、諸費用を借入れに含めた場合でも約578万円減っています。元利均等返済・ボーナス払いなしの条件で、金利は機構の仮定です。

表1 住宅金融支援機構の試算例(7年間返済した住宅ローンをフラット35に借り換えた場合。当初借入金3,000万円)
項目 借り換え前 借り換え後 借り換え後(諸費用を含めて借りる)
毎月返済額 約11.5万円 約9.6万円 約9.8万円
残高(借り換え後は借入金) 約2,622万円 2,622万円 2,694万円
金利(年) 3.00% 1.5% 1.5%
借入当初からの総返済額 約4,849万円 約4,182万円 約4,271万円
借換諸費用 — 約72万円 -
総返済額の変化 — ▲約667万円 ▲約578万円

機構は同じページで、表の諸費用の金額は参考で借り換え時の住宅ローンの内容によって異なること、借入時の条件や繰上返済の状況により「借換えしても毎月返済額や総返済額が減少しない場合があります」と注記しています。

02 借り換えの諸費用は融資手数料・印紙税・登記費用・繰上返済手数料

住宅ローンの借り換えでは、借り換え先に払う融資手数料と印紙税、抵当権の抹消と設定の登記費用(登録免許税・司法書士報酬)、いまの住宅ローンの繰上返済手数料と経過利息がかかると、住宅金融支援機構はフラット35借換融資の費用として案内しています(よくある質問「借換えの際に、どのような費用がかかりますか?」)。

抵当権は、金融機関が融資の担保として土地・建物に設定する権利です。借り換えでは、いまの住宅ローンの抵当権を抹消し、借り換え先の金融機関の抵当権をあらためて設定します(三菱UFJ銀行 住宅ローン商品説明書の「担保」、機構のよくある質問の注記)。

費目ごとの金額の決まり方は、税金は法令で決まり、手数料と報酬は金融機関・依頼先ごとに決まります(表2)。

表2 借り換えの諸費用と金額の決まり方(2026年10月13日に確認)
費目 金額の決まり方 確認した資料
融資手数料(事務手数料) 金融機関ごと。例:三菱UFJ銀行の住宅ローンは借入金額の2.2%(消費税込。保証料は不要。2026年10月1日現在)。フラット35借換融資は取扱金融機関により異なる 三菱UFJ銀行 商品説明書、機構 借換融資のご利用条件
印紙税(書面のローン契約書) 契約金額が500万円超1,000万円以下は1万円、1,000万円超5,000万円以下は2万円 国税庁 No.7140
抵当権設定の登録免許税 債権金額×1,000分の4(0.4%) 登録免許税法 別表第一
抵当権抹消の登録免許税 不動産1個につき1,000円(土地1筆・建物1棟なら2,000円) 登録免許税法 別表第一
司法書士報酬(抹消・設定) 依頼先による(この記事の試算には含めていません) 機構 よくある質問
いまの住宅ローンの繰上返済手数料・経過利息 金融機関ごと。例:三菱UFJ銀行の住宅ローンの期限前完済はインターネット16,500円・窓口33,000円(消費税込)。フラット35は繰上返済手数料が不要 三菱UFJ銀行 商品説明書、機構 借換融資のご利用条件
物件検査手数料・火災保険料 フラット35借換融資では、適合証明の検査費用や、新しく契約する場合の火災保険料がかかることがある 機構 よくある質問

融資手数料の率や額、保証料の有無は金融機関ごとに違い、表2の三菱UFJ銀行の条件は一例です。申込先の商品説明書と見積りで確かめてください。

抵当権設定の登録免許税には税率を0.1%にする軽減がありますが、国税庁の説明では、対象は住宅用家屋の新築または取得をするための資金の貸付けで、新築または取得後1年以内の登記などの要件があります(国税庁 No.7191)。編集部は、借り換えの借入れはこの要件に当たらないものとして、本則の0.4%で試算しました。実際の税額は、登記を依頼する司法書士か申込先に確認してください。

03 試算では諸費用を残高の約2.7%と仮定する

借り換えの諸費用は、融資手数料を借入額の2.2%、抵当権設定の登録免許税を借入額の0.4%と仮定すると、残高3,000万円で80.2万円、残高1,000万円で27.2万円になり、残高のおよそ2.7%です(80.2万円÷3,000万円=約2.67%)。

表3 試算に使う諸費用(仮定。借入額=残高、ローン契約は書面、抹消する不動産は土地1筆・建物1棟)
残高 融資手数料(2.2%) 印紙税 抵当権設定(0.4%) 抵当権抹消 合計
3,000万円 66万円 2万円 12万円 2,000円 80.2万円
2,500万円 55万円 2万円 10万円 2,000円 67.2万円
2,000万円 44万円 2万円 8万円 2,000円 54.2万円
1,500万円 33万円 2万円 6万円 2,000円 41.2万円
1,000万円 22万円 1万円 4万円 2,000円 27.2万円
800万円 17.6万円 1万円 3.2万円 2,000円 22.0万円

表3の合計には、司法書士報酬、いまの住宅ローンの繰上返済手数料と経過利息、保証料、火災保険料、物件検査手数料を含めていません。実際の諸費用は表3より多くなるので、見積りを取ったら合計を置き換えて計算してください。

04 残高が多く、残り期間が長く、金利差が大きいほど差引は増える

借り換えの差引(利息の軽減額−諸費用)は、残高が多く、残り期間が長く、金利差が大きいほど増えます。現在の金利を年2.0%とした仮定では、残高3,000万円・残り30年なら0.3ポイントの差でも約79.9万円のプラス、残高1,000万円・残り10年では0.5ポイントの差でも約0.5万円のマイナスでした(表4)。

表4 利息の軽減額と差引(仮定:現在の金利 年2.0%、残り期間は据え置き、元利均等返済、金利は全期間一定、ボーナス払いなし、諸費用は表3)
残高・残り期間 諸費用 1.7%に借り換え 1.5%に借り換え 1.0%に借り換え
3,000万円・30年 80.2万円 軽減160.1万円/差引+79.9万円 軽減264.6万円/差引+184.4万円 軽減518.2万円/差引+438.0万円
2,500万円・25年 67.2万円 軽減108.4万円/差引+41.2万円 軽減179.4万円/差引+112.2万円 軽減352.4万円/差引+285.2万円
2,000万円・20年 54.2万円 軽減67.6万円/差引+13.4万円 軽減112.0万円/差引+57.8万円 軽減220.8万円/差引+166.6万円
1,500万円・15年 41.2万円 軽減37.0万円/差引−4.2万円 軽減61.5万円/差引+20.3万円 軽減121.5万円/差引+80.3万円
1,000万円・10年 27.2万円 軽減16.0万円/差引−11.2万円 軽減26.7万円/差引−0.5万円 軽減52.9万円/差引+25.7万円
800万円・8年 22.0万円 軽減10.2万円/差引−11.8万円 軽減16.9万円/差引−5.1万円 軽減33.6万円/差引+11.6万円

毎月の返済額は円未満を四捨五入して計算しました。たとえば残高3,000万円・残り30年(360回)は、年2.0%で毎月110,886円、年1.5%で103,536円なので、利息の軽減額は7,350円×360回=264.6万円です。

金利差が同じ0.5ポイントでも、残高3,000万円・残り30年では差引が約184.4万円のプラス、残高1,000万円・残り10年では諸費用のほうが約0.5万円多くなります(図1)。

金利を年2.0%から1.5%に借り換える仮定での利息の軽減額と諸費用の比較。残高3,000万円・残り30年は軽減額264.6万円、諸費用80.2万円で差引プラス184.4万円。残高2,000万円・残り20年は軽減額112.0万円、諸費用54.2万円で差引プラス57.8万円。残高1,000万円・残り10年は軽減額26.7万円、諸費用27.2万円で差引マイナス0.5万円。
図1 利息の軽減額と諸費用の比較。金利 年2.0%→1.5%・残り期間は据え置き・諸費用は表3の仮定(NIKO ESTATE作成)

05 損益が0になる金利差は、残高と残り期間で0.15〜0.66ポイントと開く

借り換えの差引がちょうど0になる金利差を表3・表4と同じ仮定で逆算すると、現在の金利が年2.0%の場合、残高3,000万円・残り30年で約0.15ポイント、残高1,000万円・残り10年で約0.52ポイントです(表5)。

表5 差引が0になる金利差(仮定は表4と同じ。小数第3位を切り上げ。単位はポイント)
残高・残り期間 現在の金利が年2.0%の場合 現在の金利が年4.0%の場合
3,000万円・30年 0.15 0.13
2,500万円・25年 0.19 0.17
2,000万円・20年 0.25 0.22
1,500万円・15年 0.34 0.31
1,000万円・10年 0.52 0.49
800万円・8年 0.66 0.63

表5の金利差は、司法書士報酬や繰上返済手数料を含めない諸費用で計算した値です。含めていない費用が加わる分だけ、損益が0になる金利差は表5より大きくなります(諸費用が増えると、同じ利息の軽減額から引く額が増えるため=差引の式からの帰結)。

「10年・1,000万円・1%」という目安との関係

楽天銀行は住宅ローンのFAQで、「ローン残存期間10年以上、残高1,000万円以上、金利差1%以上」を借り換えのメリットを出すための一つの目安とし、借入状況により結果が異なると注記しています(楽天銀行「住宅ローンの借り換えを行うメリットについて教えてください。」)。表4の仮定でも、残高1,000万円・残り10年・金利差1.0ポイントは差引=52.9万円−27.2万円=約25.7万円のプラスでした。

表4では、残高2,000万円・残り20年なら0.3ポイントの差でも差引=67.6万円−54.2万円=約13.4万円のプラスで、目安の金利差に届かなくてもプラスになる組み合わせがあります。楽天銀行も同じFAQで、現在の残高・残存期間をもとに、総返済額の減少と諸費用を併せて試算することを勧めています(楽天銀行のFAQ)。

金利の水準が違うと軽減額はどう変わるか

金利差が同じなら、金利の水準が高いほど利息の軽減額は増えます。残高3,000万円・残り30年・金利差0.5ポイントの仮定で、年1.5%→1.0%は253.6万円(7,044円×360回)、年2.0%→1.5%は264.6万円、年3.0%→2.5%は286.0万円、年4.0%→3.5%は306.4万円でした。

2026年10月現在、フラット35の金利の範囲は、返済期間21年〜35年で年3.83%〜5.84%です(【フラット35】借換融資の金利情報。金利は取扱金融機関により異なります)。借り換え後の金利がいまの金利より高い場合は、利息の軽減額がマイナスになり、差引=軽減額−諸費用もマイナスです。

06 諸費用の回収にかかる月数は「諸費用÷毎月の返済額の差」で計算する

借り換えの諸費用を何か月で回収できるかは、諸費用を「毎月の返済額の差」で割ると計算でき、残高3,000万円・残り30年・年2.0%から1.5%への仮定では、80.2万円÷7,350円=109.1…で、110か月目(9年2か月)です。

同じ残高・残り期間でも、年1.0%に借り換える仮定なら毎月の差が14,394円になり、回収は80.2万円÷14,394円=55.7…で56か月目(4年8か月)に早まります(図2)。

残高3,000万円・残り30年・現在の金利年2.0%の仮定で、毎月の返済額の差の累計が諸費用80.2万円に届く時期を示したグラフ。年1.0%に借り換える場合は毎月14,394円減って56か月目、年1.5%に借り換える場合は毎月7,350円減って110か月目に諸費用を上回る。
図2 諸費用を回収するまでの月数。残高3,000万円・残り30年・現在の金利 年2.0%・諸費用80.2万円の仮定(NIKO ESTATE作成)

残高が少なく残り期間が短い組み合わせでは、完済までに差の累計が諸費用に届かず、回収できません(表6の「回収できない」)。

表6 諸費用を回収できる月(仮定は表4と同じ。毎月の返済額の差の累計が諸費用を上回る最初の月)
残高・残り期間 1.7%に借り換え 1.5%に借り換え 1.0%に借り換え
3,000万円・30年 181か月目 110か月目 56か月目
2,500万円・25年 186か月目 113か月目 58か月目
2,000万円・20年 193か月目 117か月目 59か月目
1,500万円・15年(180回) 回収できない 121か月目 62か月目
1,000万円・10年(120回) 回収できない 回収できない 62か月目
800万円・8年(96回) 回収できない 回収できない 63か月目

回収できる月より前に、繰上返済で完済する、住み替えで売却して完済するといった予定がある場合は、差の累計が諸費用に届く前に返済が終わるので、差引はマイナスになります(表6の計算からの帰結)。

機構の試算例(表1)を同じ式に当てはめると、毎月の返済額の差は編集部の計算で19,823円(115,438円−95,615円)で、諸費用約72万円÷19,823円=36.3…から、回収は37か月目です。

07 期間を延ばす・諸費用を借入れに含めると、得の幅は小さくなる

借り換えで返済期間を延ばしたり、諸費用を借入れに含めたりすると、毎月の返済額は下がっても利息が増えるので、差引は小さくなり、試算した例ではマイナスになる組み合わせもありました。

返済期間を延ばす場合

残高2,000万円・残り20年・年2.0%(毎月101,177円)を、年1.5%・25年に借り換える仮定では、毎月の返済額は79,987円で21,190円減ります。返済の合計は101,177円×240回=約2,428.2万円から79,987円×300回=約2,399.6万円へ、約28.6万円の減少にとどまり、諸費用54.2万円を引くと約25.6万円のマイナスです。

期間を20年のままにした場合の差引は、表4のとおり112.0万円−54.2万円=約57.8万円のプラスでした。返済期間を長くしたときの総返済額の変化は、40年・50年で組む場合の月々と総返済額でも試算しています。

借り換え後の返済期間には上限があります。フラット35借換融資は「80歳−申込時の年齢」「40年−住宅取得時に借り入れた住宅ローンの経過期間」「35年」のうち最も短い年数が上限で(長期優良住宅などは40年・35年が50年になります)、三菱UFJ銀行は借換対象のローンの借入期間により制限される場合があるとしています(機構 借換融資のご利用条件、三菱UFJ銀行 商品説明書)。

諸費用を借入れに含める場合

フラット35借換融資は、印紙税・融資手数料・登記の費用・繰上返済手数料などを借入額に含められます(機構 借換融資のご利用条件)。三菱UFJ銀行の住宅ローンも、借り換えの資金使途に「借り換えに伴う諸費用」を挙げています(商品説明書)。

残高3,000万円・残り30年・年2.0%から1.5%への仮定で、諸費用を含めて3,083万円を借りると(1万円単位に切り上げ。融資手数料と登録免許税は3,083万円に対して計算し、諸費用は約82.4万円)、毎月の返済額は106,401円で、差は4,485円です。

この場合、30年間の返済の合計の減少は4,485円×360回=約161.5万円で、手元資金で払う場合の差引約184.4万円より約22.9万円少なくなります。

08 住宅ローン控除は要件を満たせば借り換え後も続くが、期間は延びない

住宅ローン控除(正式には住宅借入金等特別控除)は、新しい住宅ローンが当初の住宅ローンの返済のためのものであることが明らかで、償還期間が10年以上であることなどの要件をすべて満たせば借り換え後も引き続き受けられ、控除を受けられる年数は借り換えによって延長されないと、国税庁は説明しています(国税庁 No.1233「住宅ローン等の借換えをしたとき」)。

国税庁は、借り換えによる新しい住宅ローンは「原則として住宅借入金等特別控除の対象とはなりません」としたうえで、要件を満たす場合の取扱いを示しています。借り換え後の償還期間を10年未満にすると「10年以上の償還期間」の要件に当たらなくなるので、控除を受けている間に残り10年前後で借り換える場合は、期間の設定を先に確かめてください。

諸費用を含めて残高より多く借りた場合は、控除の対象になる年末残高が按分されます。国税庁の式では、借り換え直前の残高をA、新しい住宅ローンの借入金額をB、その年末残高をCとすると、A≧Bなら対象額=C、A<Bなら対象額=C×A÷Bです。前の節の例(A=3,000万円、B=3,083万円)では、3,000÷3,083=約97.3%が対象になります。

控除を受けられるかどうかの個別の判断は、税務署か税理士に確認してください。

09 団信は借り換えで保障が終わり、借り換え先であらためて申し込む

団体信用生命保険(団信)は、住宅金融支援機構の説明では、借り換え前の住宅ローンで加入していた保障が借り換えによって終了し、フラット35借換融資で加入を希望する場合はあらためて加入の申込みが必要です(機構 借換融資のご利用条件)。

団信は、加入者が亡くなったときや所定の高度障害状態になったときに、保険金で住宅ローンの残りが返済される保険です(三菱UFJ銀行 商品説明書の「団体信用生命保険」)。

団信に入れない場合の扱いは金融機関ごとに違います。機構は、健康上の理由などで団信に加入しない場合もフラット35借換融資を利用できるとしています。三菱UFJ銀行の住宅ローンは「団体信用生命保険にご加入が認められる方」を利用の条件にしています。

借り換えは新しい借入れなので、申込先の審査もあります。機構と三菱UFJ銀行はどちらも、審査の結果によっては希望にそえない場合があるとしています。健康状態に不安がある場合の選択肢は、持病がある場合の団信の種類と選択肢にまとめています。

10 シミュレーターに入れる前に確かめる3つの数字は残高・残り期間・金利

借り換えのシミュレーションに入れるのは、いまの残高・残りの返済期間・いまの金利の3つで、住宅金融支援機構の試算例も、当初借入金3,000万円ではなく残高2,622万円・残借入期間28年・借換前の金利を試算条件にしています(ケーススタディ・試算例)。

3つの数字と、損益の計算に必要な見積りを確かめる順序は次の5つです。並べたのは編集部で、各項目の内容はこの記事で引用した機構・国税庁・金融機関の資料によります。

  1. 残高:金融機関から受け取っている返済予定表などで、借り換える予定の月の残高を確かめる。
  2. 残りの返済期間(回数):最終返済日までの回数を数える。期間を延ばさない前提で入れる。
  3. いまの金利と金利タイプ:固定金利の期間が終わると金利が変わる契約かどうかも確かめる(例:三菱UFJ銀行の固定金利は、適用期間が満了すると自動的に変動金利に変わります)。
  4. 借り換え先の金利と諸費用の見積り:融資手数料・保証料・登記費用・司法書士報酬と、いまの金融機関の繰上返済手数料を表2の費目ごとに並べる。
  5. 差引と回収の月:利息の軽減額−諸費用、諸費用÷毎月の返済額の差を計算し、住宅ローン控除と団信の条件を確かめる。

状況ごとの見方

  • 残高2,000万円以上・残り20年以上:表5の仮定では、0.25ポイント以下の金利差で差引が0になります。諸費用の見積りを取り、表4と同じ計算をします。
  • 残りが10年前後:表6の仮定では、0.5ポイントの差でも諸費用を回収できませんでした。住宅ローン控除を受けている場合は、借り換え後の償還期間が10年以上かどうかも確かめます。
  • 数年以内に繰上返済での完済や住み替えを考えている:回収できる月(表6)が、その時期より前かどうかを見ます。
  • 変動金利から固定金利に替えたい:借り換え後の金利のほうが高いと、利息の軽減額はマイナスです。楽天銀行はFAQで、変動金利から固定金利への借り換えで金利上昇のリスクをなくすことを借り換えのメリットの一つに挙げています(楽天銀行のFAQ)。この場合は、増える利息と諸費用の合計を、返済額を固定するための費用として計算します。

シミュレーターで計算するとき

機構は、現在の住宅ローンと借り換え後の住宅ローンを同時に試算して比較できる「借換えシミュレーション」を案内しています(借換融資の検討)。

このサイトの住宅ローン簡易シミュレーションでも、「建物+土地の想定価格」に残高、「頭金」に0、「返済期間」に残りの年数を入れ、「適用金利(目安)」をいまの金利と借り換え後の金利に入れ替えると、毎月の返済額の差を確かめられます。入力できるのは、価格1,000万〜1億円(100万円刻み)、金利0.3〜7%(0.1%刻み)、期間10〜50年(1年刻み)です。

このシミュレーションの結果に諸費用は含まれません。毎月の返済額の差×残りの回数=利息の軽減額を出してから、見積りの諸費用を引いてください。

11 まとめ

手元に返済予定表を用意し、残高・残りの返済回数・いまの金利を書き出すところから始めます。次に、借り換え先の候補から金利と諸費用の見積りを取り、表2の費目に沿って合計を出します。

そのうえで、(いまの毎月の返済額−借り換え後の毎月の返済額)×残りの回数−諸費用と、諸費用÷毎月の差の2つを計算し、完済や住み替えの予定より前に回収できるかを確かめます。住宅ローン控除を受けている場合は借り換え後の償還期間と借入額を税務署か税理士に、団信は申込先に確認してください。

よくある質問

いま借りている金融機関で、住宅ローンを借り換えることはできますか?
同じ金融機関の中での借り換えは、金融機関によって取扱いが異なります。住宅金融支援機構は、同一金融機関内でその金融機関の住宅ローンからフラット35へ借り換えできるかは金融機関によって異なると注記しています。三菱UFJ銀行の住宅ローン商品説明書(2026年10月1日現在)には、同行の住宅ローンからの借り換えには利用できないと書かれています。
フラット35を返済中でも、フラット35に借り換えられますか?
フラット35を返済中の方も、フラット35借換融資に借り換えられます。住宅金融支援機構は、民間金融機関の住宅ローンのほか、フラット35や機構(旧住宅金融公庫を含む)の住宅ローンからの借り換えも可能としています。試算例のページには、12年間返済したフラット35を借入期間15年以上20年以下のフラット20に借り換える例が載っています。
住宅ローンを借りてから、どのくらいたてば借り換えを申し込めますか?
申し込める時期は商品ごとに決まっています。フラット35借換融資の場合、住宅取得時に借り入れた住宅ローンの借入日から借換融資の申込日まで1年以上たっていて、申込日前日までの1年間、正常に返済していることが申込みの要件です(住宅金融支援機構「借換融資のご利用条件」)。ほかの金融機関の要件は、申込先の商品説明書で確かめてください。

建て替え・住み替えで新しく借りる場合は、無料の住宅ローン審査診断を試せます

無料相談・ローンシミュレーションを依頼する